クローズ・エルミタージュ Crozes-Hermitage

ローヌ北部最大のAOC

ローヌ北部、ローヌ川左岸に大きく広がるクローズ・エルミタージュは、11の村にまたがるローヌ北部最大のAOCである。ぶどう畑の栽培面積は約1500ヘクタール。「ローヌ川の奇観」と言われるすり鉢を伏せたようにそびえる巨大な丘の段々畑に位置するが、大部分の畑はゆるやかな斜面か平坦な場所に広がっている。

エルミタージュとよく混同されるが、別のAOCである。クローズ・エルミタージュはエルミタージュの周辺に広がる地域で生産されている。対岸に位置するのはサン・ジョセフ。

ローヌ北部全体生産量の6割を占める

ローヌ北部最大のAOCとあって、生産量はローヌ北部全体の約60%を占めている。個人ドメーヌ数約50、いくつかの有力な組合もある。湖畔にあるタン・レミナージュ村にはワイン専門店や生産者協同組合のカーヴが集中し、ローヌのワイン産地巡りに欠かせない村となっている。

主力はシラー主体の赤ワイン

生産するワインはほとんどが赤ワイン。85%以上のシラー使用が義務付けられ、15%まで白ぶどうであるルーサンヌ、マルサンヌの混醸が認められる。

エルミタージュとの違いは、より軽やかな酒質。どっしりとしたフルボディのエルミタージュに対し、飲みやすく若いうちから楽しめるみずみずしいワインとして位置付けられている。

土壌や造り手によりスタイルや品質も多様であるため、選ぶのがやや難しいワインと言えるが、ル・メアルやラ・グレヒューなどの区画が名高い

ワインの印象

香りはカシス、フランボワーズ、ブラックベリー、カカオ、ハーブなどを連想させるスパイシーで甘い香り。味わいはシラーの持つ豊かな果実味と爽やかさが印象的。相性料理は煮込み、肉料理のグリル、スパイスの効いた料理など。

甘口白ワインも造られる

生産量は少ないが、白ワインも造っている。品種はルーサンヌとマルサンヌ。早飲みタイプでアルコール度数が高め。藁の上で干して凝縮させたぶどうから造る甘口の白、ヴァン・ド・パイユも生産されている。