ラストー Rasteau

天然甘口ワインも造られる比較的新しいAOC

ローヌ南部のラストーはヴォクリューズ県の北部にあり、ウヴェーズ川とエーゲ川に囲まれた場所に位置する。ぶどう畑は日照に恵まれた南向きの斜面に広がり、ミストラルから守られている。栽培面積は約880ヘクタール。ラストー村を中心に3つの村にまたがっている。気候は穏やかな地中海性気候。

コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュから昇格

ラストーがAOCを取得したのは2010年とまだ新しい。それ以前はコート・デュ・ローヌヴィラージュのAOCに指定されていたが昇格し、単独のAOCとして認められた。しかし、この地で1935年頃から造られているヴァン・ドゥ・ナチュレル(VDN。天然甘口ワイン。ワインの発酵中、果汁にブランデーを入れ、発酵を止めて甘みを出す酒精強化ワインの一種)は1944年からAOCに認定されている。

特徴とぶどうの種類

デザートワインに最適な天然甘口ワイン

VDNは赤、白、ロゼ。グナルッシュ100%で造るのが一般的。グルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ブランの3種を使用する。すっきりとした甘さが特徴で、デザートワインに最適。チョコレートやチーズに良く合う。樽熟成は2年以上。

力強いふくよかな赤ワイン

スティルワインは赤のみ。品種はグルナッシュを50%以上、ムールヴェードル、シラーを補助的に使用する。ラストーのぶどう畑は表土が丸い石で覆われているが、この石が日中に暑さを蓄え、夜間にぶどうの樹を温める。そのためぶどうが凝縮し、力強いふくよかなワインが生まれている。外観は暗めの色調の赤色。赤い果実や胡椒、ヴァニラを感じる香りが特徴。味わいは果実味豊かで濃厚。タンニンが強く酸が柔らかな、いかにも南仏らしいワインと言える。相性料理は香草を使った肉の煮込みやグリルなど。

他のVDN生産地

なお、VDNはラストー特有のものでなく、他の生産地域でも造られている。ローヌ南部で有名な生産地はミュスカ・ボーム・ド・ヴニーズがある。ラングドック、ルーション地方にも多数のVDN生産地がある。